お気に入りなのよ
港区白金台一帯は武蔵野の面影を今に残す緑ゆたかなところ。
江戸時代には大名屋敷が立ち並んでいたこの地は、明治以後は皇族や華族の邸宅用地になっていた。
この一角に、東京都庭園美術館の前身である旧朝香宮邸が建てられたのは一九三三年のことである。
朝香宮(久にの宮家八男鳩彦殿下、妃殿下は明治天皇八女)は、一九二二年より三年間フランスに留学し、ヨーロッパ文化を見聞された。
留学時代の一九二五年はパリで国際装飾博覧会が開催され、アール・デコとよぼれる装飾芸術がピークに達した時代でもあった。