お気に入りなのよ 3

大広間わきの大きな香水塔は、そこに入れられた香水が電灯の熱でほのかな香りを発し、大切なお客様を迎える時に使われたもの。

各部屋ごとの意匠をこらした照明器具は、ラジエターカバー、エッチングガラスをはめこんだ扉などを眺めていると、華麗な貴族の生活を垣間見る思いがする。

長い間幻の建築といわれていたこの朝香宮邸は、その後、所有権が西武鉄道に移り、戦後は政府が借りて外務大臣公邸や国の迎賓館などに使用されたが、一九八三年に、建物につづく和風庭園、洋風庭園とともに東京都の庭園美術館としてオープンしたのである。

ここは各種の展覧会場として利用されているが、それぞれの作品がこの館の各部屋の壁面に飾られると、その作品が一だんと輝きを増すように思われる。

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