ここもイイ!  2

東郷青児は生前、自分の作品の散逸を憂い、自作(約二百点)と、内外のコレクション(約二百五十点)を、安田火災に寄託していた。

安田火災本社ビル新築にあたり、社会に何か還元したいとの会社の考えに、青児氏が賛同し、美術館の設計の段階からかかわられたそうだ。

安田火災と青児氏との関係は、前身の東京火災の南社長が、昭和の初期より若い芸術家を支援したことに始まる。
以来、青児氏は同社の印刷物やカレンダーのデザインに携わって来たとか。

茶系統の壁に、白っぽい画面、青児特有の女性像が並んでいる。
初期の絵から、特有の柔らかな女人の数々の絵にみとれていると「東郷青児は『気にいったものは大切にして手元に置いている』と言われていたそうで」と、来客に説明されている声が聞こえた。

「笛」「花炎」「四重奏」など、夢幻のような画の中から、ご本人の声として聞こえた思いがした。

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