なんて素敵な・・・☆8
前回の続きです☆
「ここの部屋のその、部屋づくりのコンセプトといいますと?」
「そうですね、ここにあるものの大半が拾って来たものっていう点でしょうか。家具は基本的にすべて拾い物ですし、芸術作品みたいに見えるかもしれないオブジェの類も、実はほとんど拾い物」
「はあ」
「そういったガラクタっていうのは、興味のある人の目にはつくけれど、興味のない人は全然気がつかないものです」
「ああ、そうですね」
「用途とか、善とか、ということを超えたところでまず、美を見出す。
そういう種類の美は、必ずしもぴかぴかの新品のものにあるのでなくむしろ多くの場合、古ぼけたものの中に宿っています。
こういう、いわば谷崎的な価値観を持ってるフランス人ってかなり多いですよ」この「谷崎的」のところで編集者は「うっ」とつまずき、私も補足説明が上手にできなくてちょっと困ってしまった。
追い討ちをかけるようにローリーは続ける。
「『卍』の世界といえばいいかしら、そう、あの感じ。
ああいうような世界にある種のフランス人ってすごく惹かれるんですよ」
うーん、やはりよくわからない・・・。
この子はいったい、どういう子なのでしょう。
あの部屋といい、赤毛のぼさぼさ頭といい、そのものの言いようといい、彼女は私の好奇心をひどくそそりました。